神戸大学体育会洋弓部弓影会
リレーエッセイ



前のエッセイへ                 次のエッセイへ

洋弓部での思い出

第43代 中村

弓影会の佐竹様からリレーエッセイ執筆のご依頼をいただいたのを機に、洋弓部の現役時代を振り返ってみました。
月日が経つのは早いもので、現役を引退してから20年もの月日が流れていることに驚くばかりです。一方で当時の記憶は色褪せず鮮明に残っており、私にとって非常に印象深い3年間だったのだと改めて認識いたしました。
地方からの進学で、地元の友人が周りに1人もいないところから大学生活をスタートした私は、「心機一転、何か新しいことにチャレンジしてみよう!(初心者に優しいところで!)」と、大胆なのか慎重なのかよくわからない決心を胸に洋弓部に飛び込んでみることにしました。振り返ってみるとこの決断は大正解でした。和気藹々とした雰囲気を基本としつつも、締めるべきところはきっちりと締める、メリハリのある空気感は私にとって心地の良いもので、あっという間に部活動の魅力に取り憑かれていきました。
特に素晴らしかったのは先輩方からの懇切丁寧な指導で、弓具の各部の名称解説、ゴムチューブやベアボウを使いながらの射形指導、近射から徐々に距離を伸ばして...と、無理なく段階的に技術を習得していくことができました。洋弓部では先輩が後輩が指導することはごく当たり前に行われていましたが、会社によって、あるいは部署によっては人を育てる文化が存在しないことも往々にしてあることを思えば、洋弓部は素晴らしい文化資産を持っていたのだと感じます。  
ここまで技術面を中心に書きましたが、プレッシャーとの付き合い方などのメンタル面、個性豊かな先輩・同回生・後輩たちとの交友関係など、部員として学べたこと、得たことは多方面に亘り、紙面の都合上全ては網羅しきれません。非常に濃密な3年間でした。  
3回生の幹部年次では私は主務という役職を務めました。自分が1回生、2回生だった当時の主務の先輩方が大学内外との折衝に、諸手続きに、部活の運営に...と、多忙ながらもきっちりと仕事をこなしている様子を目の当たりにしていたこともあり、役職決定会議のある2回生最後の冬合宿では「私に務まるのだろうか」と大いに悩んだことを鮮明に覚えています。春の立命館戦では事前に予算相談していたはずの大学生協から直前で宴会費の単価を吊り上げられてしまったり、部員名簿の印刷の相談のために出向いた先で、電車の乗り継ぎを誤って遅刻したり(その節はご迷惑をお掛けしました...)と、着任早々は幾らか失敗はあったものの、教訓を生かしながら軌道修正を重ね、なんとか一端の主務として成長を遂げることができました。現在の私はIT企業の中でPMたちを束ねるマネジメント業務を担当していますが、そのマネジメント業の最源流は、私が主務として成長する過程で得た学びの数々だったかもしれません。当時、私を支えてくださった同回の役員、先輩、後輩、OB・OGを含む部員の皆様には感謝申し上げます。   部活の引退間際の名残惜しさを感じつつ、私が最後に取り組んだ仕事はマニュアルの再構築と主務業の分割でした。純粋に時系列にタスクの列挙されていたマニュアル(これはこれで私の仕事のインプットとして貴重なものでしたが)を仕事別に分類し、背景・目的を明確化、仕事どうしの先行・後続関係などの情報を加えてみるとWord文書で数十ページに膨れ上がりました。主務を務めた歴代先輩方の偉大さを実感するとともに、後輩たちの負荷分散を図るべく、主務業の中に含まれていた仕事のうち学内折衝系は「渉内」、学外折衝系は「渉外」などと分離独立させることを提案。この案が採用されて、再構築済のマニュアルとともに運用されている旨を引退の数年後に風の噂で聞きました。  
公私ともに慌ただしい中で月日はあっという間に過ぎ去って行きますが、洋弓部で過ごした3年間は私の中では燦然と輝く思い出の日々です。現役生は今の貴重な時間を大事にしてほしいと思いますし、私も一人のOBとしてやるべきことをやっていこうと思います。   最後までお読みいただきありがとうございました。
 

前のエッセイへ                 次のエッセイへ