神戸大学体育会洋弓部弓影会
リレーエッセイ



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洋弓部の思い出

第45代 宮原 朋子(旧姓 岡田)

あれから、もう何年経つのでしょうか。僭越ながら、少しばかりの思い出話を綴らせていただきます。

あの当時、育ちや学部、バックグラウンドが様々な中でアーチェリーへの興味が同じ、というだけで集まった私達。入部動機も人それぞれでした。部を通じて礼儀や規律を学び、少しずつ大人びていく一方で、スコアシートの点数に無邪気に一喜一憂したり、まだまだ子供な面も多々ありました。

思い出といえば合宿。ご飯も歯磨きも就寝も一緒。早朝からの練習は緩めの学生には厳しくキツく。衝突もあり和解もあり。帰りは変な解放感や疲れ、そして寂しさがありました。また、緊張感あふれるリーグ戦。誰よりも練習してきた部員なのに、限られた出場選手枠に(当時は、女子はファイブ(5名)、男子はエイト(8名)であり、選手交代は出来なかった)はまらない。その部員の想いはシューティングライン上の選手に届き、ジリジリと全体の得点につながっていく。チームで戦うという意味を知りました。
新歓祭、三商戦、遠征、引退試合、などなど…あの時、あの場所でしか感じられない思い出がいっぱいで、まさに青春でした。

45代は恵まれていました。先輩方は真面目で愛情深く、こんなにも大きな背中を私達は受け継ぐことができるのか…と不安でした。そんな心配を包み込んでくれたのが、ノリが良く陽気で明るい後輩達。先輩を立てつつそれでいて自分を持ち、適切なフォローをしてくれました。
45代のメンバーは、前代未聞の大所帯でそれぞれ個性が強く、でも比較的仲の良い代でお互いを認め合い、要所要所で一体感がありました。
ふらっと部室に行くと基本誰かがいて、あっいる!と少し嬉しくて。まるで第二のホームのような心地よさがありました。できることなら、ちわーっとみんなに会って思い出話したいです。

年齢を重ねていくと、洋弓部の活動は人生の中で相対的に短くなり段々と色褪せてきます。でもふと当時を思い返すと、書ききれないほどの思い出が鮮明に思い浮かんできました。それはきっと、素敵な仲間たちに支えられ真剣に取り組み続けた一射一射、一瞬一瞬が、胸に刻まれて染み込んで、自分の一部になっているからだと思います。

人生は毎日が満点ではなく、60点、0点、時にはマイナス点もあるでしょう。でもどんな1日も明日からの自分作りだと思って、洋弓部の思い出を励みに進んでいけたらと思います。
でも一心不乱に頑張り続けていくのではなく、時には立ち止まって休んだり戻ったり、自由に歩んでいきたいです。私がそうであるように、きっとどんな自分も仲間たちは受け入れて、円陣組んで応援してくれると思います。
終わりになりますが、このような場をいただいたことに感謝の意を表し、現役部員の更なるご活躍を祈念致します。

写真は夏合宿時にみそらの館(長野県白馬村)の前で撮影したものです。

 

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